風光明媚なアルプスが観光地として注目を浴び始めたのは19世紀に入ってから。スイス 山岳ホテルのホテル・ベルビュー・デザルプの前身となる山小屋は1840年に建設されました(登山電車が開通する前のことです)。
その後何度かの改築・改修を経ていますが、エレガントな建物内部はアルピニズム黄金期の19世紀後半の雰囲気がそのまま感じられます。そして2011年にはスイスの数多くの伝統あるホテルの中から、「スイスで最も優れた歴史的ホテル」に選ばれています。
ユングフラウヨッホへの乗り換え駅、クライネシャイデックはいつも大勢の観光客でごった返していますが、ホテル・デルビュ―・デザルプの入口の重い木製の扉を開くとそこには19世紀の世界が広がります。
標高2000mを越えるところにいるとは思えない優雅なお部屋やロビーから窓の外を見ると、アイガー北壁の巨大な岩壁やユングフラウから流れ落ちる氷河がすぐそばに迫る、そんな絶景の山岳ホテルです。
外観 ● Exterior
ダークブラウンの木造外壁と白い窓枠。100年近く前の古い写真と比べてみても大きな変化を感じさせないクラシックスタイルです。自然環境が厳しい場所にある家族経営のホテルは、丁寧なメンテナンスを欠かさずに続けています。
内装 ● Interior
建物に一歩足を踏み入れると、歴史あるヨーロッパ貴族の邸宅を訪れたような気分になります。ロビーやバー、そして談話室の重厚な調度品や丁寧に手入れされた家具は、現在5代目になるオーナーの家族に代々受け継がれてきた貴重なものです。
客室 ● Guest Room
部屋数は59室。すべてタイプが異なりますが、ロビーや談話室と同様に20世紀初頭のクラシックなスタイルで統一されています。部屋にはテレビはありません。宿泊者は自然に往時の雰囲気に浸ることができます。客室からは、黒々と起立する巨大なアイガーの北壁、または氷河が流れ落ちるユングフラウの山々が眺められます。
施設 ● Facilities
130名収容のメインダイニングは、窓から雄大なユングフラウの山並みが眺められます。その他スイスの郷土料理が食べられる80名収容のステューベ、20名収容のボールルームがあり、いずれもエレガントな雰囲気。メインバーにも足を運んでみましょう。革張りのソファやストゥールに腰かけ、ゆっくりグラスを傾けていると、100年前の世界にタイムスリップできそうです。